【都響定期演奏会 感想 〜主役は「ホルンの王様」】
(23/7/19水 Facebook投稿記事より)
今夜はこちらの演奏会を聴きに、上野までお出かけ。
「東京都交響楽団 第979回定期演奏会」(2023/7/19[水])
指揮:アラン・ギルバート
ホルン:シュテファン・ドール
東京都交響楽団 〜東京文化会館(上野)
(曲目)
1.ウェーベルン 夏風の中で〜大管弦楽のための牧歌
2.モーツァルト ホルン協奏曲第4番
3.R.シュトラウス アルプス交響曲
結論から言うと。
今年聴いた中では、一、二を争う名演!
Twitterにおける評価を見ても、爆演の呼び声も高い。いやホント凄かったですよ。。
今夜の主役は、世界でも指折りの…というか、世界一と言っても過言では無いホルン奏者、シュテファン・ドール。
かのベルリン・フィル首席ホルン奏者としておなじみ。
一通り聴き通して、「なんだよ、このバケモノは。。。」という印象。
ホルン協奏曲のソリスト務めるだけでも大変なのに、その後あろうことかアルプス交響曲のトップを吹くなんて。。。
アルプス交響曲は、50分ノンストップで演奏する、これまたキッツい大曲、難曲。
モーツァルトでの、朗々と、太く大きな音色。
そう、音量がデカいなぁ、と思った。まず。
豊かで、太めの音色で、かつ高音も美しい。
自作のオリジナリティ溢れるカデンツァも軽々とこなしてみせる。
休憩をはさんで、メインのアルプス交響曲。
普通、そのオーケストラの奏者がソリストを務める場合、負担を考慮して、そのあとのメインプログラムには乗らないもの。
ところが、さも当たり前のようにトップの席に座る。見てるとなんだか楽し気だし💦
しかもしかも、これがたくさん吹くのですよ。。。
そもそもこの曲、こんな1stホルンの出番多かったっけ?と思うほど、めちゃめちゃ吹くのです、ドールさん。
吹き方も特徴的で、大事な場所になると「ここはみんな良く聴いてネ!」と言わんばかりに、しっかり楽器を高く構えて吹く。
こういう吹き方は、日本人奏者ではまず見たことない。
アシスタントが一名隣にいらっしゃって(後で知ったのは、この方なんと私が昔お世話になった群響首席・竹村先生でしたが💦)、たまーにドールさんが休んで代わりに吹くのだけど、それもごくわずか。ほとんど自分で吹いちゃってて。。。
主役のドールさんの話ばかりしてますが、都響のみなさんもかなりの熱演、力演!
難所ばかり、ツラいところばかりのオケ泣かせのこの曲を、ここまでハイレベルにミスもほとんどなくまとめ上げたのは、賞賛に値する。
超高音の泣きどころのあるトランペットも、首席の高橋さんは見事に吹きこなしていましたし。あのプレッシャーの中、よく当てるもんだなぁ、と感心。プロって、首席って、凄いわ。
アラン・ギルバートの指揮も、要所要所でガクンと腰を落とし、実に濃密な表現。バーンスタインばりのテンポの揺らし方をするなぁ、なんて思って聴いてました。
今夜のトドメは、「エピローグ」の場面での美しいホルンソロ。
この曲は、冒頭の日の出、そして山頂、さらには嵐と、大きく三つの山場があり、それを乗り越えた後に、1stホルンにはそこそこ長めのソロパートが与えられる。
ここまで来たら、もはや拷問レベル…。
しかし。
そのソロすらも、溜め息の出るような、感涙のソロを聴かせてくれるドールさん。
はい、もう降参です。あなたには参りましたよ。。と白旗を上げます。
掛け合いのトランペットは、もはやバテ気味でしたよ。。。
凄いホルニストであることは知っていました。
でも、ポスターにある「ホルンの王」なんて形容詞はいくらなんでも大袈裟では?と思っていました。今日こうして聴くまでは。
聴き終わった今は、こりゃ確かに王かもしれんな…と思いましたね。
長年、ベルリン・フィル首席を務めるのはダテじゃないんだな。本当にすごい。底力を見せつけられた感じでした。
今年は当たりの演奏会が多いなぁ✨
わずか3回しか聴いてないのに。
また良さげな演奏会を探して、聴きに行こうと思います!
(👇ベルリン・フィル首席 シュテファン・ドールさん ※実物はだいぶもうちょっと太ってますw)
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